【ひじきの日】これを食べて長生きという敬老の思いでこの日ができた

9月15日は以前は「国民の祝日」の「敬老の日」であった他、「ひじきの日」でもあります。ひじきを食べて長生きをするという敬老の思いで、「日本ひじき協会」が当時の「敬老の日」に合わせて制定しました。

「ひじき」は、「鹿尾菜」・「羊栖菜」などと書かれる、褐藻類ホンダワラ科ホンダワラ属の海藻の1種です。古くからこれを食べると長生きできると言われていて、北海道・本州・四国・九州・奄美大島・沖縄島・朝鮮半島・中国南部に分布しています。

現在では食用のものの9割方は中国や韓国からの輸入となっていて、国内産のほとんど全ては天然ものです。大体「干(ほし)ひじき」として流通し、水で戻して醤油・砂糖で煮る「五目煮」の他、ひじきご飯・サラダ・酢の物・天ぷらなどとして食べられています。

干ひじきに含まれるカルシウムは骨粗しょう症、食物繊維は高脂血症、カリウムと食物繊維は高血圧へ対抗できるようにすると言われています。また、鉄は免疫力強化、マグネシウムは心臓疾患、ビタミンB1は疲労回復、ビタミンB2は心筋梗塞、マンガンは肝機能、ヨウ素は肥満などに効果があるようです。

ひじきを含む海藻の歴史は古く、縄文時代や弥生時代の遺跡からひじきが食べられていたと思われる遺物が発掘されています。そして、奈良時代には、神様への供え物にしたり、支配階級の食料になっていて、調(当時の税金にあたるもの)として海藻が朝廷に献上されていたという記録が残っています。

平安時代中頃のには、山海の珍味として海藻が天皇への献上品となり、鎌倉時代から室町時代にかけて、海藻料理は高級材料で、美しく洗練されたものとなっていったのでした。

戦国時代になって、海藻は戦場で食べられることが多くなり、熊本城の壁には籠城時の食料としてアラメ(褐藻の一種)が塗り込められていました。一般庶民に海藻が食べられるようになったのは江戸時代で、品川海苔・浅草海苔・伊勢ヒジキ・伊勢アラメ・日高昆布・鳴門ワカメなどの名産品が流通していたのです。

「日本ひじき協会」では、古くからの健康食・ひじきの情報を発信し、国民の健康増進をすることを目的として平成16年度(2004年度)に発足しました。その前身とも言える「三重県ひじき協同組合」が、昭和59年(1984年)に”ひじきをもっと食べて健康に長生きして下さい”との願いから旧「敬老の日」を「ヒジキの日」としたのです。

9月15日の出来事としては、コスタリカなど5ヶ国のスペインからの独立宣言(1821年)、ダーウィンがガラパゴス諸島に到達(1835年)、戊辰戦争で二本松城落城(1868年→慶応4年7月29日)、日本が満州国承認(1932年)などがあります。

ちなみに9月15日は旧「敬老の日」・「ひじきの日」の他に、「老人の日」・「マスカットの日」・「スカウトの日」・「シルバーシートの日」・「国際民主主義デー」・「ひよこの日」・「お菓子の日」・「中華の日」・「惣菜の日」・「レンタルビデオの日」・「いちごの日」・「商工会の日」・「マージャンの日」・「大阪寿司の日」などに設定されています。