【シンデレラデー】年越しで深夜0時がシンデレラのように気になる日

12月31日は1年最後の日として「大晦日」と呼ばれる他、「シンデレラデー」とも言われます。年越しのため、おとぎ話のシンデレラのように深夜0時が気になってしまうことからこう呼ばれるようになりました。

「シンデレラ」のあらすじは、継母とその連れ子の姉たちにいじめられていたシンデレラが、午前0時までしか効き目の無い魔法によって着飾りお城の舞踏会へ行って、王子様に見初められるものの時間切れで靴を残して帰ることとなり、後に靴を手掛かりで王子に探し出されて結婚するハッピーエンドとなるものです。

実はシンデレラ(Cinderella)の本当の名前は「エラ」で、灰で汚れた彼女を継母たちがバカにして「灰まみれのエラ/シンダーエラ」と呼んだことがその名の由来で、王子様と結婚してやっと「エラ妃」となったのです。ちなみにこの物語のことを、日本では「灰かぶり姫」や単に「灰かぶり」と呼ぶこともあります。

何れにしてもシンデレラは、お城の舞踏会には行けたものの、魔法の時間切れとなる午前0時をとても気にしていました。その同じような状況が大晦日の12月31日で、最も深夜0時が気になる日となり、シンデレラのお話に被せて「シンデレラデー」と呼ばれるようになりました。

シンデレラ型の物語は、古来より世界中に残されています。その内最も古い記録のひとつにギリシャの歴史家ストラボン(前63年頃-23年頃)の書き残したものがあります。

この話の場所はエジプト、主人公は美しい女奴隷のロードピス、ハッピーエンドは主人から贈られたサンダルによって、ファラオ(エジプトの王)と結婚するというものです。但し、このお話しの中には時間切れに関する要素は含まれてはいませんでした。

中国では楊貴妃(719-756年)をモデルにしたとされる「掃灰娘」や唐(618-907年)の時代の民話に基づいた「葉限」などの類話があり、日本でも10世紀(901-1000年)頃に、「落窪(おちくぼ)物語」という似たような話があります。

イタリアのジャンバティスタ・バジーレ(1575?-1632年)は「ペンタメローネ(五日物語、Pentamerone)」の中の「チェネレントラ」、フランスのシャルル・ペロー(1628-1703年)は「サンドリヨン」、ドイツのグリム兄弟(長兄:1785-1863年・次兄:1786-1859年)は「アシェンプテル」として、シンデレラ物語を書いています。

シンデレラが日本に紹介されたのは、明治19年(1886年)の「新貞羅」やその翌年の「シンデレラ奇縁」があります。明治33年(1900年)には、小説家の坪内逍遥が本名(雄蔵)で高等小学校の教科書に、「おしん物語」として書いています。

12月31日の出来事としては、ヴァンダル族(古代ローマ領外の蛮族)がガリア侵入(406年)、イギリス東インド会社の設立(1600年)、元禄地震で南関東に被害(1703年→元禄16年11月23日)、寛永寺から初めての除夜の鐘中継放送(1927年)、テレビアニメ『鉄腕アトム』の放送終了(1966年)などがあります。

ちなみに12月31日は「大晦日」・「シンデレラデー」の他に、「そばの日」・「寅彦忌」・「一碧楼忌」・「著作権法上の著作権の保護期間の最終日」・「聖シルウェステルの日(カトリック教会)」などでもあります。