【東京タワー完成の日】この日、東京のシンボルが竣工した!

12月23日は「国民の祝日」の「天皇誕生日(平成)」である他、「東京タワー完成の日」でもあります。昭和33年(1958年)12月23日、東京のシンボルで観光名所でもある「東京タワー」が竣工しました。

「東京タワー」の設計者は、「耐震構造の父」や「塔博士」と称される、建築構造技術者・建築構造学者・一級建築士の内藤多仲(たちゅう)です。明治19年(1886年)6月12日、山梨県中巨摩郡榊村(現南アルプス市曲輪田)に誕生しました。

大正3年(1914年)から昭和元年(1926年)まで内藤が構造設計したものには、芝浦製作所鋳物・大阪高島屋百貨店長堀店・大阪商船神戸支店・日本興業銀行・歌舞伎座・実業之日本社ビル・NHK愛宕山放送局鉄塔・東京電力千住火力発電所・早稲田大学大隈記念講堂などです。

昭和以降も、東京地下鉄道上野駅・明治生命館・大丸百貨店・大阪放送会館本館・旧東京厚生年金病院・世界平和記念聖堂・根津美術館などの構造設計を行ない、名古屋テレビ塔・二代目通天閣・別府タワー・さっぽろテレビ塔などの設計にも関わりました。

昭和32年(1957年)5月8日、「東京タワー」の管理会社として「日本電波塔株式会社」が設立されます。6月29日には地鎮祭が執り行われて着工となり、7月15日にその設計図の作成が終了し、9月21日には塔脚第一柱が設置されて定礎式が挙行されたのです。

昭和33年(1958年)10月9日、建設中の電波塔の愛称を「東京タワー」に決定されます。10月14日には高さ80mのアンテナを設置、12月7日にプレオープンとなり公開が始まり、12月23日に完工式が挙行され正式なオープンとなりました。

愛称「東京タワー」は完成直前に開かれた審査会で決定しました。8万6千票を超える応募作の内容は、1位「昭和塔」・2位「日本塔」、他に米ソの人工衛星打上競争の世情を表わした「宇宙塔」・皇太子(平成の天皇)の御成婚が近いことから「プリンス塔」などありました。

「東京タワー」は応募数の多さでは13位(223通)というものでしたが、審査会の参加者・徳川夢声(弁士・漫談家・作家・俳優)の推挙によって、竣工の当日に愛称に決定されたのです。そして、賞金10万円が抽選の末、神奈川県の小5の女子に贈られたのでした。

「東京タワー」は今でも、浅草寺・羽田空港・明治神宮・上野動物園・お台場・東京駅・都庁・東京ソラマチ・築地場外市場などと並んで、東京の観光名所となっています。平成24年(2014年)に開業した電波塔「東京スカイツリー」を凌ぎ、今でも東京のシンボルと言える存在なのです。

12月23日の出来事としては、『ニュルンベルク年代記』の発刊(1493年)、カッシーニによる土星の衛星レアの発見(1672年)、安政東海地震の発生(1854年→嘉永7年11月4日)、A級戦犯7名の絞首刑執行(1948年)などがあります。

ちなみに12月23日は「天皇誕生日(平成)」・「東京タワー完成の日」の他に、「テレホンカードの日」・「ふみの日」・「歩民(府民)の日」・「踏切りの日」・「天ぷらの日」などに設定されています。