【薬の日】この日、初の女性天皇が「薬狩り」を行なった!

5月5日は「国民の祝日」の「こどもの日」である他、「薬の日」でもあります。推古天皇19年5月5日(611年6月23日)、初の女性天皇・推古が、現在の奈良県兎田野(うだの)で「薬狩り」を行ないました。

平成24年(2014年)7月末で解散してしまいましたが、医薬品小売業者の事業改善・発展を図っていた「全国医薬品小売商業組合連合会」が、昭和62年(1987年)に「薬の日」を制定しました。推古天皇が百官を率いて、鹿茸(ろくじょう・鹿の若い角)や薬草を採取した「薬狩り」の日である、「薬日(くすりび)」に因んだものです。

「薬狩り」とは「競い狩り」とも言い、旧暦の5月5日に山野に出て、薬草を採集した行事のことです。

「薬日」の由来は、「薬狩り」をした日という説の他、端午の節句(現在の「こどもの日」)に、柱などに種々の香料を詰めた袋に薬草・造花を付けて、長い5色の糸で飾った「薬玉(くすだま)」を掛けるという中国から伝わった風習とも言われています。

推古天皇が採取したとされる「鹿茸」というのは、強壮や強精作用・鎮痛作用を持つ生薬で、薬性を表わす五気は”温(おん)”、その味・五味は”甘(かん)”です。目のかすみ・ふらつき・めまい・耳鳴り・腰膝の脆弱・インポテンツ・四肢のしびれ感・不眠・低血圧症・慢性的虚損・自律神経失調症・更年期障害などの症状にあいます。

推古天皇が採取した薬草は、菖蒲(しょうぶ)や蓬(よもぎ)などが多かったようで、これらの薬草は独特の強い香りを放ち、お風呂に入れると疫病や邪気を払うことができると考えられていました。このことから、子供の成長と健康を願って、現在でも「こどもの日」の風習として残っているのです。

岐阜県本巣市に本社のある、研究開発型原料メーカー「一丸ファルコス株式会社」は、推古天皇の「薬狩り」をした日に因んで、5月5日を「植物エキスの日」に制定しました。植物エキスの優れた有用性を知って、広く活用してもらおうと言うのが目的です。

薬剤師・薬局の社会的役割と責任を果たすために、地域社会づくりに貢献する一般社団法人「日本コミュニティファーマシー協会」も、「薬狩り」に因んだ日を「コミュニティーファーマシーの日」に制定しました。地域の人々に薬の知識・病気の予防・健康情報などを伝えるのが目的です。

5月5日の出来事としては、以仁王が平氏追討の令旨を発する(1180年→治承4年4月9日)、モンゴル帝国クビライの皇帝(ハーン)即位(1260年)、ニューヨークにカーネギーホールが開場(1891年)、ロシア連邦の新聞『プラウダ』創刊(ユリウス暦1912年4月22日)などがあります。

ちなみに5月5日は「こどもの日」・「薬の日」の他に、「児童憲章制定記念日」・「メロンの日」・「わかめの日」・「自転車の日」・「おもちゃの日」・「子供に本を贈る日」・「ボーイズデー」・「レゴの日」・「フットサルの日」・「手話記念日」・「ジャグラーの日」・「ノーレジの日」などに設定されています。